自動車メーカーも落ちたものだ

お客様が右フロントの足回りを打損して入庫された。
足回りのことなので、少しの変形が大きな走行異常となって現れる。
結果としていくつかのパーツを取り替える必要が出てきたわけだか、問題はそのパーツだ。
注文を入れた結果、そのうちの一点がメーカー欠品でバックオーダーだとの回答があった。
まだ新しい車だ。平成19年車ですよ!メーカー欠品ってどういうこと?このメーカーは特にここ数年、部品の欠品が増えている。
部品在庫をうーんと減らして注文が貯まったら製造しようということだろうが、毎日車を走らせているユーザーにしてみるとこれはたまったものじゃない。
それならば・・・とメーカー欠品のパーツとそれに関連した一部パーツをキャンセルしてリユースパーツで処理しようと方針変換。幸いに、ほぼ新品同様のリユースパーツが見つかった。これで、お客様に予定通りに納車することができそうだ。ホッ・・・
問題はこの後だ。メーカーオーダーを入れてから10分程度してからのキャンセル処理だったのだが「一度メーカーオーダーしたパーツはキャンセルできない」との回答が戻ってきた。
えーっ?でしょ。梱包したとか、発送してしまったというのならともかく・・・
そこでメーカー本社のお客様相談室に電話すると「確かにそのようにはなっているけれど、それは部品ディーラーとの問題であって、メーカーでは何とも言えないし関知するところではない」のいう趣旨の回答だった。部品を供給しているのはメーカーで、それの販売窓口が100パーセント子会社の部品ディーラーなのにね。
以前はメーカー欠品のパーツについてユーザーがご立腹された時、最後のよりどころとしてメーカーのお客様相談室に電話したところ、あれこれと調べてスムーズにパーツが入手できるよう頑張ってくれたものだ。
あのメーカーは、何年も前に社長が変わってから徹底した合理化で変質したんだという巷の噂はあるけれど・・・
危機的経営を立て直した社長の豪腕を評価する声もあったけれど、ユーザーの信頼を裏切る結果となってしまっては元も子もないと思うけどね。お客様あってのビジネスなんですよっ!
*このブログを書いてから3時間後にメーカーのお客様相談室から電話があった。「色々と確認させていただきましたが、一度オーダーいただいたパーツは直後であってもキャンセルを認めないというのが当社の決まりです。そのことはお伝えします」
「えーっ?それならば、ユーザーさんに説明するためにその理由を教えてください」
「こういったルールですとお伝えする電話をするのが限界で、理由まで説明する気はありません」
「理由がわからないと、ユーザーさんにもご納得いただけないでしょう」
「いや、理由を説明することはできません」
「ユーザーさんに、メーカーはそういった対応でしたとお話ししてもいいんですか?」
「結構です」
「わかりました」
・・・アリャリャ、このメーカーはもうダメだ!
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