要は下仕事なんです

板金の仕事は下仕事がどれだけ丁寧にできているかで、後々が違ってくる。

左リアドアとリアフェンダー(タイヤハウスのパネル)をひどく損傷した車。
ディーラーではドア交換、リアフェンダー交換ということで目玉が飛び出るほどの見積り。
お客様は車両保険に入っておらず、自費修理しかない。少しでも安くということだ。

さてBoschCarService玉野自動車ではどうするか・・・だ。
まずドアについては、同色のリユース(中古)ドアを見つけることができた。全国レベルの検索でたった一枚だけあった。わずかなエクボ傷があるけれど、そんなのは問題ではない。ラッキー!

リアフェンダーは熟練のスタッフがハンマーで叩いた。60歳後半に入ったが、その腕を見込んで働き続けてもらっているスタッフだ。熟練職人の技って見事なもので、ハンマーで大体の物は叩いて作ってしまう。こんな技術は継承していかなくてはならない。

格安簡易板金との違いはその下仕事だ。
写真を見てもわかるように、ほとんど完成に近いレベルまでハンマーで成型している(光っている部分)
仕上げにパテ(粘度状の仕上げ剤)を付けて研ぎあげる。パテでほんの細かい凹凸を拾うわけだ。パテはあくまでも薄化粧程度なんですよ。

格安簡易板金の場合。この下仕事をする技術は無いので、ほとんどパテで埋めて成型する。粘度細工の厚化粧ってやつで、何年かするとパテが乾燥しきって縮み、表面が歪んでくるってわけだ。

まあ50年近くハンマーひとつで生きてきた熟練スタッフと、半月程度の研修で板金作業(いやいや粘度細工)に取組んでいる人を一緒にするわけにはいかない。

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リアドアもリアフェンダーもひどく損傷。
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リアドアはリユース(中古・同色)と付替え済。リアフェンダーを叩いて仕上げた状態。

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叩いて成型したリアフェンダーにパテを塗って、研ぎ上げた状態。

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塗装が終わって、あとはリアドアにモールを張れば完成。

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