エンジンオイルの話 その2 糞オイル

エンジンオイルのことで相談にいらした輸入車ユーザーがいた。
色々と話して納得された様子だった。「オイルなんて安いのをマメに変えた方が良い」というメチャクチャなアドバイスをする人もいたらしい。オイルやエンジンの事を知らないくせに「安いオイルで良い」なんて知ったかぶりをする人も随分といるようだ。無知なんだから、ヘタなアドバイスしなけりゃいい。
結論からすると「現在のパワーのあるエンジンには化学合成油(フル合成、部分合成)」じゃないとダメ。安い鉱物油は原油精製時のカス(残りもの)にいくつかの添加剤を加えたもので、しょせんは安い油の域を脱しきれない。油だから、冷間時には硬くて熱くなるとサラサラになる。それに、高熱で焼けるとスラッジ(焦げカス)がたくさんできる。自然界にある油の宿命だよね。
エンジンが要求するのは、冷間時にはより軟らかくて熱くなっても粘度があるオイルだ。焦げカスなんて循環の妨げになるからできちゃ困る。油の性格に反するようなこういった要求に応えられるのは、化学合成して作ったオイルしかないってこと。
ちなみに販売する側から言うと、高い合成油を売るよりも安い鉱物油を売った方が利益が出る(知らなかったでしょ)。もともとの仕入れ価格がメチャクチャに(本当にメチャクチャにだよ!)安いからだ。だから、僕らはそんな安いオイルを糞オイルって言ってる。(これ内輪話だけどね)
「安いオイルで良い」なんて言うオイル交換店のスタッフがいたら、ひょっとすると頭の中で電卓たたいてるのかもしれないよ。ご用心!
車検入庫などのオマケで入れてくれるオイルなんていうのも、断った方がいいね。まずもって糞オイルに間違いないからね(合成油はタダでプレゼントできるような仕入れ値じゃない)。タダのオイルじゃ車が痛む!
さてメーカーが新車に入れているオイルは素晴らしく良いオイルなんだけど、ディーラーが純正品として入れているオイルはそれに比べるとひどく質を落としたオイルであることがほとんどなので、それも要注意だね!
「じゃあ、お前の工場はどんなオイルを入れているんだ?」という話になるが、「メーカーが新車に入れているオイル(初充填油という)をベースにしたオイル」というのが答え。もちろん合成油ですよ・・・当然でしょ!メンテナンスのトータルで考えれば、合成油と鉱物油の価格差なんてたいした金額ではないと思うんだけどなあ・・・
お客さまが紹介してくれました。↓
輸入車整備

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