10万キロそこそこになると、そろそろオートマミッションのオーバーホールを考えなくてはならない。
一般的には、滑り始めた・・・とかの前症状があるものだが、ある日突然にということもある。
このベンツSLは突然にジャダが発生した。ブレーキングして減速するとダッダツダッという振動がボディ全体に伝わり始めた。前進時の加速も悪くなった。
リフトアップして点検したら、ニュートラルでも他のレンジでも常にトロトロとバックする状態となっている。
シフトセレクトの問題かと思ったが、そうではない。
想像するに、突然にリバース(バック)のクラッチ表面(もともと劣化してきていた)が脱落して、シフトコントロール部のピストンに咬みこんでしまってピストンが閉じなくなった可能性が高いという判断をした。
そうなるとリバース(バック)の油圧回路が常時働き続ける。ドライブレンジの時にはアクセルを踏み込むと前進の力が強いからバックの力を打ち消して走るが前進する力は弱くなる。ブレーキングしてアクセルペダルを離すと、バックの力が表立ってきて前に進んでいる車とのバランスでダッダッダッとなる。
結果として、ミッションを降ろしてミッション専門工場に送り、オーバーホールを依頼することになった。
まあ・・・長く乗ろうと思えば、どこかでミッションオーバーホールという関所越えをしなくちゃならない。
頭が痛い話だが、ちなみにコレは弊社の社長車です。トホホ・・・