スカイラインにはまいったネ

中古車として販売されるR32スカイラインの整備依頼を受けた。
走行キロ数は非常に少ない。
エンジンがまともにかからず、かかってもほぼ走行不能状態に近かった。
点検すると、プラグはすべて真っ黒。テストすると火がほとんど飛んでいなかった。原因はイグナイターとコイル不良。新品に交換したところ、プラグの火もしっかりとして走行可能状態となった。
ところが走行テストすると、6気筒のうちの1気筒が爆発していない感触がある。ドコドコッという振動でボディが震える。
エンジンの基本は「良い火花」「良い混合気」「良い圧縮」だから、ひょっとしてインジェクター(燃料噴射ノズル)が1本良くないのかな?と思った。プラグをチェックしたら、3番のシリンダーに取り付けたプラグだけが濡れていて失火している。
まさか・・・と思ったが、圧縮値のテストをしてみたら3番だけが圧縮ゼロ。ピストンがグーッと上まで上がってきても、圧縮できていないってことだ。
シリンダーヘッドを下ろしてみて愕然とした。3番シリンダーの排気バルブのうち1本がピストン上部に当たって曲がっている。その曲がった隙間から圧縮が抜けてしまっているわけだ。
圧縮不良なんて、まだ走行キロ数が少ないエンジンでは考えられないトラブルだ。
症状からみて色々なケースが考えられる。エンジン回転を急に超高回転まで上げた結果、バルブの動きがそれについていけなかったのか?又はオイルメンテナンスが悪くて、破損したバルブの動きが悪かったのか?まあ、ちょっと普通では考えられない故障だ。相当荒っぽく乗っていたに違いない。
RB20のツインカムエンジンだが、この手の車はお金をかけてしっかりとメンテナンスをしながら大切に乗る人と、乗りっぱなし状態でぶん回してる人と両極端だ。
車はメンテナンスと乗り方次第でうんと変わる。要注意ダネ。
DSC01725.JPG

Share Button